逆寅次郎はタナトスを抑えられるか?

大学生時代に孤独に耐えられない友人を切り捨てた話

朝起きて、顔を洗って鼻の中も綺麗にしようと手鼻で鼻糞を取ったりなどをし、1時間後ぐらいにその鼻糞がこめかみの辺りに付着しているのに気づいた。汚ねえよな。

 

2006年ぐらいだったかな。

当時、木村拓哉のTown&CountryのCMが流れていた。

「開いてる時の俺も好きなんだけど、閉じてる時の俺も、好きなんだよね…」みたいな。

このCMはバージョンが違うけど、そんなこと言ってた。

 

俺も当時は「閉じてる俺」がかなり優勢だった。今も閉じてる俺、だけど。

例えば飲み会に参加しても、大体は不調だった。

キムタクの言う「開いてる俺」ではなく、「閉じてる俺」ばかりが増殖しているので、「閉じてる俺も・・・好きなんだよね・・」と自分に言い聞かせる。だがそれは、キムタクだから閉じてる俺もカッコいいのであって、一般人が「閉じてる俺も・・・好きなんだよね・・」などとぬかしやがると、単なる陰キャとみなされるのが現実なのである。

 

などと葛藤しながらも、俺は脳味噌にアルコールが侵食していたので、眠ることにした・・・

と、その瞬間、「コンコン」と、ドアを叩く音・・
「まさか!?・・・」 俺はものすごく嫌な予感がしたので、その「コンコン」というのがなかったことにしようと大脳に指令を送ったのだが、再度「コンコン」とドアを叩きやがるので、俺の大脳も「現実に従えよ」と指令を出したので、仕方なくドアを開けることにした。 俺の自己催眠能力の低さを痛感した瞬間だった。 ドアから出てきたのは、同じ寮生の、4ヶ月間音信不通になっていた元友人であった。
俺の嫌な予感が的中した。

 

宗教団体の勧誘の方がまだマシという気分である。
そいつは明るい笑顔を見せ「仲直りしようぜ」みたいなことをぬかしやがるが、俺は毛頭、仲直りなどしたくなかったので、「いや、お前とは仲直りしたくない」と言いたかったのだが、言えずに部屋に招き入れてしまった。

 

その元友人は男の癖に、暇があれば俺に電話し、一時期は毎日俺に電話やメールしてきやがった。男の癖に、というのはジャンダー平等が声高に叫ばれる令和の時代においては不適切な表現かもしれないが、とにかく女々しい。

しかも電話やメールの内容は「今日何時に帰んの?」など、そういったどうでもいい類のものばかりで、俺はしょっちゅうシカトしていたのだが、シカトしたとしても寮が同じなので、家に帰ると部屋に来やがるのである。

 

そして元友人は、今日の出来事や愚痴を毎日俺に語ってきやがるのだが、「俺は別にお前という人間の日常に、それほど興味はないのだ!」と、俺はいつも悶々と思いながらそいつに話を合わせていたのだが、いい加減うんざりした頃「お前の話はどうでもいいのだ!」みたいなことを言うと、キレて、俺の胸ぐらを掴みやがる。女々しくて暴力的なのだ。 だがキレさせたことにより数週間連絡が来なくなって、俺はスッキリ、自由な日々が過ごせていたのだが、学校や寮内で久しぶりに会うと、また仲直りの風潮になり、また束縛の日々に俺は陥るのである。

そういうのを今まで何度も繰り返し、4ヶ月接触しない日が続いたので「やっと完全に縁を切れた」と思って喜んでいたのだが、まさかその日、部屋に来やがるとは。またキレさせなければならない煩わしい仕事が増えたと思った。 「喧嘩するほど仲がいい」とかいう故事があるが、そんなのは全く嘘だろう。 喧嘩しまくるやつは、完全に性格が合わない。 喧嘩というかいつも一方的に逆上された被害者の気分ではあったが、俺の素っ気ない態度が気に障ったのだろう。

 

俺もそうだが、そいつは友達が少なく寂しがり屋なのだ。だから、俺に毎日話をしてほしいのか知れないが、そんな男に魅力はないのだ。毎日愚痴や今日の出来事しか語れない男に魅力など毛頭ない分、話もつまらないのだ。 魅力のある人は、20代の大学生だろうと毎日くっちゃべる余裕もないぐらいに夢や目標に向かって行動しているし、一人の時間も大事にして精進しているのだ。そういう人は人生が濃密だから、話も面白くなっていったりするのだ。

 

いや、話がつまらないのはまだいい・・・問題は、「思いやり」がないこと。俺が寝てるのにズカズカ部屋に来たり、話したくもないのに自分の話をしたい、孤独感を紛らわせたいという欲望のために、部屋に来るといった自己中心的な行動が許せないのだ。 そう、今なら言える・・・思いやりの心を、持ちましょう!思いやりは「思い遣り」・・・思い遣りという字は、「田んぼに心」、「い」、「しんにょう(部首)に?つかわせる?」、「り」、という文字で出来てますが、田中君、これが何を意味するかわかりますか?わからないのですか? じゃあ先生が教えてあげよう。「思い遣り」という言葉は、田んぼに心をもって稲穂を育てないと、ダメ・・・って話であっただろうか。金八先生が言ってそうである。

 

だが思いやりの心を持てというならば、俺はそいつの話につき合うべきだったのではないだろうか。 「思いやりの心を持て」とかぬかしてる野郎も、実際、思いやりの心を「100%」は持っておらず、エゴとエゴのシーソーゲーム(アラフォー世代には判る言い回し)になってる場合がある。人間は、利己的であることをまぬがれられない。

 

まあそんな、偏屈で当たり前の話をしても面白くないのだが、とにかく「お前とは仲直りしたくないのだ!」と言いそびれた分、俺はなるべく不快感を出して、話を早めに切り上げようとしたので、そいつは15分程度で部屋を出てくれた。
俺は大学生時代にそいつだけは着信拒否、メール指定受信拒否にしていたので、たぶん自然と俺に避けられていることに気づいていただろう。それでも部屋にやってくるんだから、ほんと、SECOMとかALSOKとかと提携して「接触拒否」サービスを始めてほしいもんだと思ったね。 そいつが俺に電話したりメールしようとしたら、警備会社から警告メッセージが送信されたりエージェントが来襲するっつうシステム。ストーカー予防にもいいだろ?

ああでも、今はあるかもしれないな。当時は考えたこともなかったけど。

 

あったとしても、そんなボディガードを依頼するお金も必要性はない。

だって今は、365日のうち300日はまともに人と喋ってない、独居男性になってしまったんだからな・・・

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管理人:逆寅次郎
東京在住のアラフォーのおっさん。大学卒業後、出版業界とIT業界で、頑張ってサラリーマンを15年続けるも、他律的業務と人間関係のストレスでドロップアウト。日銭を稼ぎながらFIREを夢見る怠惰な人間。家に帰っても家族もおらず独り、定職にも就かずにプラプラしてるので「寅さんみたいだな…」と自覚し、「でもロマンスも起きないし、1年のうち誰とも喋らない日の方が多いなぁ」と、厳密には寅さんとはかけ離れている。だけど、寅さんに親近感があるので”逆寅次郎”として日々を過ごし、孤独な独身者でも人生を充実させる方法を模索しています。