逆寅次郎はタナトスを抑えられるか?

湯島の「蘭亭ぽん多」の特上ロースは白いとんかつで絶品!だったのだけどデザートがね・・・

上野にドン・キホーテがある。先月の2月末、御徒町にも新しいドンキがオープンしたので足を運んだ。
コンパクトな作り、5階から地下1階まであった。
何も買わずに退店。もうオープンセールは終わっちまったようだな。
とか思ってると…腹が、減った。
店を探すぞ、といっても孤独のグルメみたいに歩き回ったりはしない。

 

その日の俺は無性にとんかつを食べたい気分だった。
2週間ぐらいとんかつを食べてなかったからな。
だからドンキ周辺のとんかつを探したところ、見つけた。
「蘭亭ぽん多」(東京都文京区湯島3-37-1)ってのがあった、昭和21年創業の老舗、ここは外れないだろう。
さっそく向かった。
途中、気になる看板があった。

 

 

読めない…調べるとホンメンジーミーファン(黄燜鶏米飯)と読むらしい。

 

蘭州牛肉麺、沙県小吃の次に来るのはコレだ!?黄燜鶏米飯(ファンメンジーミィファン) | 80C

 

ご飯が進みそうで美味そうだ。
馬場小食堂は別の機会に行こう。
店に着いたぞ。

 

 

 

さっそくメニューを拝見。

 

 

なるほど、グレードによって価格が変わるか…。

 

ここは特製とんかつ(特上ロース)一択だ。

お金があるからではなく、滅多に来れるとこじゃねえからな、お店の一番の品を味わいたいよね。
カツカレーもあるんだな、これも気になる…また来た時だな。

 

 

ライスが300円、味噌汁が300円…は、はぁ?と、一瞬思っちまったな。
普通、金取るか、ここ…特製とんかつが既に税別で3600円、つまり税込ほぼ4000円なのに。
さらに660円プラスよ。
しかし頼むしかねえだろうよ、ライスと味噌汁は必要だよな。

そして来た、特上ロース!

 

 

どうよこの白い透き通った衣。
低温調理、100度で揚げているから、この薄衣が実現したらしい。
書いてあった。

 

 

ちょっとサイズ小さめ?と思ったけど、そうでもない。
確かに4切れしかないけど、1つ1つが分厚いから、まあ普通サイズって感じ。

 

 

見るからに美味そうだ、さっそくいただくと、お~!
柔らかくて、とろけるお肉。
ラードの甘い香り、これは好き嫌い分かれるだろうが、俺は好きだな。

 

 

あまりに柔らかすぎて、箸で持ち上げたら肉が崩れ落ちて床に落ちちゃった、勿体無い。

ライスは、甘くて炊き上がりもいい感じで米に艶がある、美味い…。

 

 

おかわり1杯は無料。でも量が少ないな。
味噌汁、これは300円の価値ねえぞ、と心で思った。わかめしか入ってないし、別に出汁に特徴があるわけでもないどこにでもある味で、普通だ。

若干、ぬるかったし。

 

まあでも満足だ、美味しいとんかつが食べられて幸せだよ僕ちんは。
さあ腹も満たされたし店を出るか、と思ったが、気になるメニューがあった。
「イチゴの姿造りアイス」だって。
これどんなデザート?
頼むしかねえ、税別500円って、安くないけどな。
そしてやってきたのがが、これ。

 

 

なんだ、これ。姿造り?ただのイチゴにアイス詰めてるだけじゃねえか!
姿造りっていうから、職人が包丁とかで綺麗にイチゴを装飾したり、アレンジしてるのかと思ったのによ。
なんの造形美もねえ、ただのイチゴ3個。

その中にアイスが入ってる?だけ。

 

イチゴ3個にアイス詰めて550円で売るって、なんだよ。
イチゴは1パックでも、スーパーで550円しねえって、知ってるのか?
10個前後入って398円とかで売ってるんだぞ。
言いたくねえが、俺はぼっ〇くり感を感じたな。
550円にするなら、客が納得できる工夫を施さんかい。

しかも、なんだこれ、硬い。

 

 

冷凍してあったのか、硬すぎて、噛めない。
冷凍してあったので、ちょっと硬いですけど」って店員さんは出してきたのは覚えてる。
だけどこれ、硬すぎだろうが。

くそう、食えない。溶けるまで待てってか。そんなに暇じゃねえよ。
とんかつの脂の口直しに、すぐ甘いものを食べたいんだろうが。

あんた江戸っ子じゃねえのか?
「蕎麦屋と風呂湯は江戸の華」って、アド街で神田の老舗「更科」の店主が言ってたぞ。
蕎麦はどんどん、どんどん伸びていくから早っ喰いで食わないといけない。早っ喰いで長っちりをしない。
江戸っ子は気が短いから、長居という文化はないと。
そういう江戸っ子のしきたりが蕎麦屋と風呂屋には詰まってる、文化の宝庫だとよ。

 

とんかつは蕎麦とは違うかもだが、食後の甘味は蕎麦と同じよ。
ダラダラ食うもんじゃねえんだよ。
とんかつで少しもたれた胃や腸を、さっと流してくれるような甘味を、すぐにいただきたいんだよ。
それなのに、溶けるまで待って、ぐずぐず食べろってのかい?
新幹線のスジャータのアイスクリームじゃねえんだぞ、全く。

 

腹が立った、俺は。

次に予定もあったし、溶けるまで待つわけにはいかない。
硬いし嚙み切れない、もう退店することにした。
550円損しちまった。

 

なんなんだ、あのメニューは。

「名前負け選手権」の世界大会があるとしたら、日本代表のメンバーとして選出されるレベルだ。どこが姿造りなんだってんだ、ぶつぶつ…。

 

ここをグッとこらえて、何も言わずに退店するのが大人なのかもしれない。
だけど俺は言わずにはいられなかった。
我慢したらストレスになる、きっちり捨て台詞を言った。

 

いちご硬すぎて食べれなかったですよ。ちゃんと解凍してほしかったです。

 

よし…言ってやったぞ!
そしたら店員に言われたよ。

 

解凍したら柔らかくなりすぎて溶けるんですよ。

 

だと、捨て台詞返しかいw
そんな言葉は聞きたくなかった。
すいません、でいいんだよ。

 

己の怠惰を認めていない。

俺はあのカチコチのイチゴから、怠惰を感じたんだ。その2文字が相応しいと思った。
「イチゴの怠惰造り」だぜ。
いつから冷凍してる、いつのイチゴだって思ったし。
カチコチでも、出す直前に、客が食べやすいように軽く溶かして出すことだってできるはずだ。
そこまで店も混雑もしてなかった。
老舗に胡坐をかいておもてなしの精神を失っていると思った。

 

それ以上は俺も言い返さずに店を出たが、まあ何かすっきりしない夕食になった。
トンカツの味は良い、だけどホスピタリティには問題ありだ。
ご飯と味噌汁で330円ずつ取る段階で、少しイラっとしていたのかもしれない。
特製とんかつに、ご飯、味噌汁、イチゴの姿造り、しめて会計も5500円にも及んじまったしな。

まだご飯はいい、美味しいお米だったから。
けど味噌汁はねえぞ。

 

 

毎週月曜定休、予約もできる。

カツカレー食べれなかったから、再訪しないとな。

 

まあでも、次に上野・御徒町に来たら、別の店に行くか。
明治38年創業の方のぽん多と、蓬莱屋。双葉は閉店したのか。
井泉ってのもあるらしい。
山家、とん八亭、ここも行かないと。

 

老舗とんかつ、あと浅草のすぎ田も行きたいところだな。

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管理人:逆寅次郎
東京在住のアラフォーのおっさん。大学卒業後、出版業界とIT業界で、頑張ってサラリーマンを15年続けるも、他律的業務と人間関係のストレスでドロップアウト。日銭を稼ぎながらFIREを夢見る怠惰な人間。家に帰っても家族もおらず独り、定職にも就かずにプラプラしてるので「寅さんみたいだな…」と自覚し、「でもロマンスも起きないし、1年のうち誰とも喋らない日の方が多いなぁ」と、厳密には寅さんとはかけ離れている。だけど、寅さんに親近感があるので”逆寅次郎”として日々を過ごし、孤独な独身者でも人生を充実させる方法を模索しています。