逆寅次郎はタナトスを抑えられるか?

ワンカルビで一人焼肉してたら恩着せハラスメント疑いのある客がいた

昨日はトンカツを食べた。
今日は焼肉を食べたい。
ソロは可処分所得が多いから多少の外食の贅沢はできる。
「孤独のグルメ」に共感している独身者は食事ぐらいしかドーパミンを出せる機会がないので糖質制限炊飯器がオススメでも話したが、食べることぐらいしか楽しみがねえんだよ。

だから金はないけど焼肉、焼肉だ。

 

ちょうどその時、青梅新町の辺りにいたんだ。
周辺にはすたみな太郎、ワンカルビ、等チェーンの焼肉屋があった。
「そういや、ワンカルビは行ったことないな…チェーン店だけど、まあ行ってみるか」ってことで、行った。
正直、あんまチェーン店は好きじゃない。
できれば地元の、知る人ぞ知る美味い店を発掘したいんだけど。

どうしても焼肉が食いたかったから、ワンカルビだ。
17時30分前、到着。

 

 

月曜の夜だからそんなに混んでない、しかも17時台だからな。

 

 

このパーテーション…素晴らしい!
ソロあるある5、「パーテーションや個室を好む」だ。
やっぱり「一人でも全然、平気よ」と言いながら、強がりだったりんするんだよな。
ワイワイしている家族のグループとかカップルを見ると、自分とのコントラストが際立って、物悲しくなるんだよ。
それを分けるためのパーテーション、まさかワンカルビのような家族やグループに向けて用意してくれるなんて、ソロにも優しい焼肉屋ないか~い!
もしパーテーションがないと、どうなるか?
これだよ。

 

 

逆寅次郎、このサイトのヘッダー画像のように、リア充カップルやリア充家族などを認知して自分を相対化し孤独感が喚起されてルサンチマンやタナトス等が湧き上がってくるんだ。

ちなみに逆寅次郎は、俺でもあるが、固有名詞ではなく一般名詞、概念でもある。「寅さんみたいに結婚できず、しかし寅さんみたいに周りに仲間とかもいない人」みたいなね。

まあとにかく、パーテーションがあるのはいいぞ。
ソロ充ポイント、10ポイントだ!

茶番はさておき、メニューを拝見。

 

 

一番高いコースにして、牛タンも喰らうぞ。
上ロースステーキとサガリステーキ、貧乏臭いが、高そうなメニューを頼んで元を取ろうとしてしまう。母親譲りだ。

 

 

来たぞ。

 

 

 

美味いな。サガリの方が脂身が少なくて食べやすい感じがする。
カルビと上カルビも注文だ!

 

 

カルビの方が好きかな。左がカルビで右は上カルビ。

上カルビの方が脂乗ってるけど、なんか脂がしんどい年になったのかな。
厚切りハラミも、脂少なめ、赤身で柔らかくて美味い。

 

 

これはワンカルビ。店名のワンカルビが、メニューにもあった。

 

 

ガスト系列の焼肉屋「じゅうじゅうカルビ」におけるドラゴンカルビだとか、牛角だかどっかの壷カルビみたいな、蛇みたいな長いカルビだわ。
ハサミで切って食べる、これも柔らかくていいじゃん。中落カルビみたいな。
カルビだけど意外にしつこくないし、食べやすい。

 

ライスは普通だったなぁ。まあ美味いけど、炊き立てほかほかではない。
まあそりゃあ、仕方ないわな。でも全然、いいよ。

 

「美味いな~これ」「肉って感じだな~」

 

と、俺と同じ感想、の声が、隣のテーブルからする。
やたら「美味い、美味い」と声がする。

トイレ行った時にその客の方をチラッと見たが、長年連れ添った夫婦っぽかったかな。
しかし、やたら褒めたたえているけど、なんか違和感があった。

 

その違和感、それは、奥さんではなく旦那の方ばかりが、ワンカルビの肉を褒めそやしていたからよ。
なんだよそれは。
奥さんが美味い、と言わないのに、自分から何で言うんだよ。
俺がもし、男だったら、言わないぞ。
「美味い」って、言わせてやるんだ。
言わせてやる、というと家父長主義的な印象を持たれるかもしれないが、そうじゃない。
こっちから美味いと言わない、それは武士道でもあり、粋でもあり、おもてなし精神でもある。
相手が美味いというのを、待つ。

 

どう思うよ。

 

「美味いよね」「ねえ、美味いよね?」「よかったよね?」「おいしかったよね?」

 

すげえ押しつけがましい、恩着せハラスメントっていうのが相応しい行為。

「あっ、あれ~、あれ~」「いいの~?いいの~?」「いっちゃうの?いっちゃうの?ねえ~」みたいな、加藤鷹を思い出したよ。

最近はまってる東谷義和のガーシーchでも、そういう芸能人が暴露されてたよな。
メシ奢ってあげたり、冷蔵庫を買ってあげたり、カッコつけようとするんだけど、それを何度も口にしてしまう。
「俺のおかげ」感を出してしまう。カッコ悪いよな、ほんと。

 

奢ったらその時だけ、その場限りで、表には出さない。
出さないことで、本当に付き合うべき人間も見えてくる。
恩知らずのやつは、こっちが何かしても、感謝の念もなくて当たり前だと思って接してくる。
性格のいいやつは、こっちが口にしなくても、受けた恩を忘れずに、次に会った時に感謝の言葉を伝えてくれたり、別の機会で受けた恩を返そうとしてくれるんだよ。

まあソロの俺には、そもそも友達とかほぼいねえから、そんな処世術とか不要だけどな…。

 

だから俺は、旦那に言ってやりたかったぜ。

 

美味いって、あんま、自分から、言うな!

 

ってな。全く言うなとはいわない。
学校で習っただろ?

 

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ(俵万智「サラダ記念日」)

 

相手が「美味いね」って言ってくれるのを、ちょっと待てよ。
こっちから一方的に美味い、美味い、ってね。
もしかして相手は、満足してねえかもしれないんだぞ?
チェーン店以外に行きたかったのかもしれない。
俺もそうなんだよ。

美味しくても「チェーン店で美味しいと言いたくない症候群」の人もいるんだよ。
もっと隠れ家的ダイニングで、間接照明に照らされたジャズが流れる店で、頭の半分だけ?なのかよくわからん割合のパーマかけた店員がワインを注ぎに来る店、そういう場所に、行きたかったかもしれねえ。
なのに自分ばっかり、チェーンの焼肉屋で、満足、しやがって!

 

俺の方が旦那に相応しいよな、この謙虚さ。
なのに結婚できないってね。
あんたは恵まれてるよ。
奥さんがいるってことは、「寒いね」って答える人がいるんだからな。

 

「寒いね」と話しかけても一人。(逆寅次郎)

 

これがソロの現実だ。
いい俳句ができたな。
我ながら、俵万智と尾崎放哉にインスパイアされた名句だ。

 

こういうソロあるあるの俳句を作っていって「逆サラダ記念日」として自費出版でもするかな。

短歌とか俳句は確か、又吉のYouTubeでいいのが紹介されてた気がする。
またチェックするか。

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管理人:逆寅次郎
東京在住のアラフォーのおっさん。大学卒業後、出版業界とIT業界で、頑張ってサラリーマンを15年続けるも、他律的業務と人間関係のストレスでドロップアウト。日銭を稼ぎながらFIREを夢見る怠惰な人間。家に帰っても家族もおらず独り、定職にも就かずにプラプラしてるので「寅さんみたいだな…」と自覚し、「でもロマンスも起きないし、1年のうち誰とも喋らない日の方が多いなぁ」と、厳密には寅さんとはかけ離れている。だけど、寅さんに親近感があるので”逆寅次郎”として日々を過ごし、孤独な独身者でも人生を充実させる方法を模索しています。