逆寅次郎はタナトスを抑えられるか?

早稲田大学を卒業してもノースキルで低所得に至ったオッサンもいるから受験に失敗しても悩んだり思い詰めるなという話

大変な事件が起きたみたいで。

 

[B! 事件] 受験生ら切りつけ 逮捕の高2「事件起こし死のうと思った」供述 | NHKニュース

 

勉強がうまくいかない、だからといって人に危害を加えても、前科がついて現状がもっと悪くなるだけなのにどうしてよ?
そこまで追い込まれるような状況に至る何かがあったのだろうか。
加害者の心境は判らないけど、受験の経験者として書き留めておくけどな。
とにかく言っておきたいのは、「別に大学を落ちても、挽回できるから、そこまで引きづるな」ってことよ。

逆に、いい大学にいっても、モノクロでモノトーンな起伏の無い日々を送ることだってある。

それが俺の例。

 

俺は早稲田大学を卒業しているから、世間的にはそこそこ高学歴だと思われる。
けどだからといって、それで金持ちになれたり、安定した人生が約束されている保証はどこにもないんだよ。
これは断言できる。俺自身もそうだし、周りにそういうやついっぱいいる。

 

大学に入ったからといって、4年間、単位取得だけこなして、特に何も生み出さず、無為にボーっと過ごしていると、あっという間に就職活動が始まる。
そんで、「俺、まあまあ学歴あるし、いけるんじゃない」って感じで、有名な会社にいろいろ応募しても、受かったりするほど甘くないんだよな世間は。

俺は50~60社ぐらい、就職試験に落ちた。

大学生の時とか社会に出るまでは、学歴が自尊心の拠り所になる場合もあったけど、社会に出て学歴が大して役に立たないことがわかると、もはやどうでもよくなった。

お金出してくれた親には申し訳ない気持ちもあるけど、高い学費に見合うほどの知識を身に付けられたかというと、そうでもない気もする。

もちろん、自分が大学を有効活用できなかったってのもあるだろうけど。

 

だから学歴は、確かに人生を有利に進めるカードとして有効なケースもあるんだけど、絶対じゃない。

極端な例でいうと、学歴がなくても好きなことに邁進して成功するケースだってある。
高卒でプロボクサーを経て、世界的な建築家になった安藤忠雄とかな。
このインタビューとかしびれるぞ。

 

[B! 建築] 「お金は社会に還元して死ぬ」――「暴走族」安藤忠雄79歳、規格外の人生 – Yahoo!ニュース

 

「そんなの、成功した人のレアケースじゃん」って思うだろ?
確かにそうかもしれない。
けど一途に何かをやり続ければ、報われることはある。
いや、もちろん努力は大事だけど、これも絶対じゃなかったりする。
カズレーザーが言うことも一理あるよ。

 

[B!] 「努力はたいてい報われない」カズレーザーが忖度無しに持論明かす「努力は努力であって…」

 

けど、何もやらないやつよりは、たとえ成功と呼べるほどの功績を残せなくても、やり続けた人の方が人生が好転する確率は上がる。
ミュージシャンとしてプロデビューができなくても、音楽に打ち込んだ経験は、類似の業界の仕事に就くときに有利に働いたりする。
芸人として大成できなくても、放送作家になった人もいただろ。

大学に行くのも大事だけど、とにかく「自分はこれをやりたいんだ」ってのを見つけてほしいな、俺としては。
村上龍の13歳のハローワークとかも読んでな。

 

 

なんで「これをやりたいんだ」を見つけてほしいかというと、それがキャリアを積んで、年収を向上させるのに一番、大事なことだと思うからよ。

「キャリアの分散」を避けてほしいんだ。
どういうことかというと、これは俺のケースが非常に当てはまる。

 

俺は出版社に勤めた後、30代からIT業界でエンジニアをやろうと思ったんだよね、「これからはITだ!」と。
でも実際、キャリチェンジして30代からITのキャリアを積むのは、結構しんどいのよ。
情報系の学部を卒業したり、高専とかで10代からプログラミング言語に触れている若者に、どう立ち向かうんだって話よ。
スキル、経験、かなり遅れを取っている。
挽回するのはよほどの努力が要される。

そんで、俺は努力を、そこそこしかしなかった。
ITはまあまあ好きだけど、プライベートの時間をとことん割いてまで打ち込めるほど好きなことではなかったからな。
30代からのスタートなのに、こんな志で、キャリアを積んで年収も上げていけると思うか?
答えは否よ。

 

俺はIT業界に従事していた時は、ずっと年収300万円台だった。
ノースキルのエンジニアだから仕方ない。
また、仮にスキルがあっても、IT業界の構造上、人材派遣で客先常駐で働いてた場合、年収が上がりにくいケースだってある。

20代からIT業界を志していればまだ違った結果になったかもしれない。

 

また、出版業界にいた頃は年収450~500万前後だったから、出版業界のキャリアを続けていれば、年収も300万円台に落ち込むことはなかっただろう。

だから「キャリアの分散をやめなさい」って話よ。
もちろん、業界ごとキャリアチェンジしてうまくいった人のケースもあるかもしれない。

自分の経験を一般化しようとは思わないけど、だけど、何でもかんでもつまみ食いして中途半端なスキルとか経験を積むことになると、俺みたいな中途半端な人材になって、安月給でこき使われることになるからな。

学歴はそんなに関係ない。

一点突破できるかどうかの方が大事だと思うんだ、失敗したおじさんの経験から言わせてもらうと。

 

自分の好きなこととか、やりたいことを絞って、継続的にスキルや経験を磨けば、全然、挽回できる。

だから10代の若者、受験戦争に負けて、大学に落ちたくらい、どうってことないから、くよくよするな。

まだまだ戦えるフィールドはあるんだよ。

 

寧ろ、大学行くことだけで安心して、フラフラ生きて、俺みたいにならないようにな。

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管理人:逆寅次郎
東京在住のアラフォーのおっさん。大学卒業後、出版業界とIT業界で、頑張ってサラリーマンを15年続けるも、他律的業務と人間関係のストレスでドロップアウト。日銭を稼ぎながらFIREを夢見る怠惰な人間。家に帰っても家族もおらず独り、定職にも就かずにプラプラしてるので「寅さんみたいだな…」と自覚し、「でもロマンスも起きないし、1年のうち誰とも喋らない日の方が多いなぁ」と、厳密には寅さんとはかけ離れている。だけど、寅さんに親近感があるので”逆寅次郎”として日々を過ごし、孤独な独身者でも人生を充実させる方法を模索しています。